女性の中には高齢になるにつれ 頻尿で悩む方が多くなりますが、単なる加齢による老化ではなく女性更年期をきっかけに頻尿になる方もいます。女性更年期は加齢に伴い、卵巣が老化して卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が急激に少なくなることで起こります。

 

主に閉経を迎える50歳前後の10年ほどが、女性更年期と呼ばれる時期です。ホルモンバランスの急激な変化に体が追い付けず、自律神経が乱れて体の様々な部分に不調をもたらす症状です。このとき、排尿を促す自律神経に障害が発生すると、頻尿や排尿困難が起こることがあります。また、更年期を迎えると子宮脱や膀胱脱という特異な症状によって 頻尿や排尿困難が起こることも少なくありません。

妊娠したり出産することによって子宮や膀胱を支えている骨盤底筋が弛緩し、子宮や膀胱の位置が歪んだり下垂してしまったり腹圧が低下することがあります。膀胱が本来の位置にないため 正常な機能ができなくなり、腹圧が下がって尿の出が悪くなったり尿に勢いがなくなる頻尿や排尿困難を引き起こし、排尿後もなお残尿感で悩まされることがあります。

 

妊娠や出産で一時的に骨盤底筋が弛んで、子宮や膀胱の位置が下がっても元の位置に回復するケースも少なくありません。一方で、出産だけでなく肥満や加齢による老化などにより、子宮や膀胱を支える骨盤底筋が弛んで子宮や膀胱が体の外に飛び出す状態を子宮脱・膀胱脱と呼んでいます。

更年期以降の女性によく見られる疾患として排尿困難や頻尿、尿漏れなどのほかにも、腰痛や便秘、おりものの増加などに悩まされるケースもあります。便は腸が作り、排泄は肛門の機能によって行われると思われる方が多いですが、実際にはすべての体の働きは脳が命令を下して行っています。そして、その命令を伝えるのが自律神経です。ホルモンバランスが崩れると、脳が指令を出す働きにも支障が生じ、指令を伝える自律神経も支障を生じるので便秘になりやすくなるのです。

 

便は主に人が寝ている間に作られます。体中の大掃除が行われることで便を作り、自律神経が上手く働いていれば翌朝には便意を感じ 便秘にはなりません。しかし、女性更年期障害になると自律神経の乱れにより不眠ぎみになることから、睡眠中の体の大掃除が正しく行われません。そしてその結果として便秘がおこるのです。便が作れないうえに、排便の命令もスムーズに伝わらないので、便秘はいっそう深刻化していきます。頻尿や便秘を改善し更年期を明るく乗り切るには、体内でのエストロゲンの分泌を増やすことが重要です。

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