足トラブルを防ごう
足のトラブルや基本的な知識についてご紹介しています。①骨の変形 ②爪に起こる病変 ③皮膚に起こる病変について

足トラブルを防ぐのは毎日のセルフケア

突然ですが皆さんは足のトラブルに悩んだことがありますか?足首からつま先までの「足部」、つまり足は体のいちばん下の土台にあたる部位です。そして何十kgという重たい体重をすべて支えています。しかも、歩いたり走ったりと常に大きな負荷がかかっています。

 

それなのに簡単に壊れることがないのは、足がたくさんの骨で構成され、絶妙な構造を持っているからです。人間の体には全部で200個ほどの骨があるといわれています。そして、そのうちの約4分の1は足の骨です。

 

足先の、指を構成する趾骨が14個、足指のつけ根の関節を構成する中足骨が5個、かかとを構成する足根骨が7個、さらに骨と骨をつなぐ組織の中にある小さな種子骨が2個。これらをすべて足すと、片方の足に合計28個、両足合わせると56個もの骨が存在しています。骨の数をみただけでも、人間が二足歩行で生活するうえで足がどれほど重要な役割を担っているのかが分かります。そんな足のトラブルは大きく 3つに分けられます。
爪のトラブルグループ分け
①骨の変形による病変
開張足、浮き指、外反母趾、強剛拇趾、偏平足、内反小趾、ハンマートゥなど

 

②爪に起こる病変
巻き爪、陥入爪、爪甲鉤弯症、肥厚爪、厚硬爪甲、二枚爪、縦線、爪白癬、爪乾癬、爪扁平苔癬、爪カンジダ症など

 

③皮膚に起こる病変
タコ、ウオノメ、水虫、角質肥厚など

 

足病変は、単独に起こることはめったにありません。ほとんどの足病変は複数の病気を併発しています。そしてその影響は股関節や腰にまで及ぶといわれています。逆にひざや股関節の障害、糖尿病、関節リウマチのような全身疾患から足のトラブルに発展することもあります。

 

また、1つの足病変が起こるとそれに連鎖して他の足病変を起こすことも多いです。例えば、外反母趾になると指どうしが当たったり重なったりします。すると重なった指の爪が押されて巻き爪や肥厚爪になり、靴に強く当たるところやすれるところにタコやウオノメができます。こうして連鎖してしまうことは少なくありません。痛みや変形、炎症などを伴う明らかな足病変は、医療機関での治療が必要です。なかには専門医の治療を受けなければ治らないものもあります。

 

しかし、足病変の多くは、歩き方や靴の選び方、姿勢、爪のケアといった毎日の生活習慣の間違いが複合的に絡み合って起こっています。糖尿病や高血圧といった生活習慣病が投薬や病院での治療だけでは治らないように、足病変も病院に頼る以外に自分でできることがあります。

 

足を守るための基本は毎日のセルフケアです。「足」にはどこか汚い、不潔といったイメージがあるためか自分の足ですらあまり触りたくないという人もいます。足が痛くなって初めて自分の足に目が向いたという人も多いのではないでしょうか。ですが、普段から足を見ていなければ足の異常には気づけません。すでになんらかのトラブルを抱えている人も、今以上に足に対して関心を持つことが大切です。足の感覚は加齢とともに鈍くなるので、意識しなければ 悪化や新しいトラブルのサインを見逃してしまいます。入浴時やお風呂あがりに足をよくみて触りましょう。その際に痛みがあるか、皮膚がかたくなっているところがないか、爪の状態などをチェックしてみてください。

 

足のチェックポイント

□ 触って、どこか痛むところはないか
□ 皮膚がかたくなっているところはないか
□ 爪の色はピンク色か
□ 爪が厚くなっていないか
□ 爪を押したとき痛いところはないか
□ 指と指の間が適度に開くか
□ 皮膚が乾燥していないか
□ かかとが ガサガサしていないか
□ 足に むくみはないか
□ 足の色は健康的か

 

また、靴を選ぶときは サイズはもちろんのこと、靴をはいたときの感覚をよく確かめましょう。足の形は左右差があるので必ず両足とも履いて、実際に歩いてみます。そのうえで下記4点に注意してみてください。

 

足先にゆとりがある

つま先がゆったりして高さがあると指先が靴の中で自由に動かせるので、足指できちんと地面をつかむことができます。

甲周りが合っている

甲が圧迫されず、かつ、きちんと押さえられていることがポイントです。ひもやベルトなどで甲周りを調節できるものがおすすめです。

かかと周りが合っている

かかとが正しく覆われていて、かかとの後ろに足の第5指(小指)が入るくらいのゆとりがあると安定した着地ができます。

足のつけ根が曲がりやすい

足の第1指(親指)と第5指(小指)が押さえつけられず、緩すぎない靴がおすすめです。

 

足の変形やトラブルは長い年月をかけて起こるものです。すでに足病変がある人でも、毎日のケアや靴選びを見直すことで悪化や進行を止めて改善につながることが少なくありません。治るまでには時間がかかりますが 根気よくしっかりと自分の足に目を向けることが大切です。